サッカー天皇杯。 現在、延長戦後半。スコア0-0。 一瞬でも気を抜いたら試合が劇的に変わりそうな時に、あたしはケータイを握ってテレビを観ていた。 普段サッカーを観るのはあたしだけなんだけど、今日は妹も一緒だ。 そんな時、握っていたケータイが震えた。 「電話…?」 画面を見ると、和也の名前が出ている。 「!!」 あたしは電話にでようとした。 慌てた所為か、ボタンが上手く押せずに、凄くもどかしい。 「……もしもし。」 .