「はい、着いたよ。」 デパートの前には、大きくて幻想的なイルミネーションが広がっていた。 「うわー、凄ぇ。こっちにはこんなにも綺麗なイルミネーションが在るのか………。」 和也はケータイのカメラで写真を撮っている。 「気に入った?」 「おぅ。連れて来てくれてありがと、美綺。」 和也は一回視線を逸らし、目を閉じてから、あたしを見た。 「俺さ、こっちの思い出を作るのは、今日が最後だって覚悟で来たんだ。」 「…うん。」 .