その時、和也の顔が険しくなった。

どうやら大変な話らしい。



「親父?……嶺は何て言ってる?」


嶺(レイ)君は、和也の三歳年下の弟だ。


「…まぁアイツは、まだ高一だからな…。……うん、分かった。取り敢えず、正月に帰る時までには決めとくよ。」



和也は電話を切った。

あたしは和也の顔を見て、聞いた。


「家族?」

「母さん。親父が倒れたってさ。」

「へ?」

あたしはあっけにとられて、目が点になった。


和也は何処か遠くを見て、溜め息を吐いた。

「…俺、来年から実家継がなきゃいけないかもなぁ〜。」







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