「蛍」
「真くん……」
8月、お医者さんになんとか外出許可を貰い、2人で花火大会に行くことになった。
真くんは黒い浴衣に白い帯を締めていて、とてもカッコよかった。
相変わらず頬は痩せこけていたけど、そんなの関係ないくらい、カッコいいと思った。
「蛍、お前さん……別嬪さんやな」
「なっ!?」
先に私が言おうとしたのに、先に言われてしまった。
思わず体が熱くなり、足の先まで赤くなったのが分かる。
今日のために、浴衣を出しておいてよかった……。
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