夢の向こうにキミがいる



毎年七月の第二土曜に夏祭りが催される生魂神社は、美里の家から懐かしの母校である中学校を越えて四、五分ほど歩いた住宅街の外れにある。



少し故郷を離れている間に、美里の家から程近い駅前には、お洒落なカフェなどが何軒か建ち並ぶようになったけれど、この辺りの佇まいは昔とちっとも変わらない。



あの角の薬局のすすけたカエルの人形も、コーヒー豆の匂いがする町工場も、クリニーング屋のド派手な看板も、みんなあの頃のままだ。



「あれっ、雪絵じゃない?!」



「おう」



神社の手前で信号待ちをしていた雪絵に声をかけてきたのは、渋谷辺りで見かけていたら迷わず避けて通るタイプの二人連れだった。