美人には二つのタイプがある。
雪絵のように目鼻立ちが華やかで、いつも変わらず美しい人。
かたや、これといって目立たない顔立ちなのに、手をかければかけるほど驚くほどきれいになる人。
眉を整え、アイラインを黒々と入れると、つぶらな黒目が生き生きと輝き出した。
髪を結い上げ、鏡の前に立った美里の匂い立つような美しさに、雪絵と母は「ほーっ」と声を上げ、満足気に互いの顔を見合わせた。
「あんたは雪ちゃんみたいに美人じゃないんだから、せめてこれくらい手をかけんとね」
娘のまんざらでもない笑顔を見て安心したのか、母の口から憎まれ口がポロリ。
「お母さんの子だからね」
「まっ、この子ときたら」
照れ隠しでお返ししたが、目を細め、二人が見えなくなるまで手を振って見送ってくれた母の姿に胸の奥が少し熱くなった。
