彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません



 「吉岡」

 戻ってすぐに名前を呼ばれ、驚いて肩がびくっと跳ねる。

 「しげぴー、どうしたの?」

 平静を装って聞くと、しげぴーは私の顔をじっと見て、少しだけ眉をひそめた。

 「顔、赤いけど」

 ドキッとする。

 「え、ほんと?急いできたから、暑くて……。あ、しげぴー、〇〇さんの抗生剤準備してくれてありがとう。行ってくるね」

 「……おう」

 笑って誤魔化し、そのまま話題を変える。
 けれど、しげぴーは納得していない様子だった。

 その視線から逃げるように、抗生剤の輸液を手にして、私はナースステーションを出た。