「調子はどうですか? お変わりないです?」
「もう、先生のおかげさまで!この通り元気です。本当にありがとうございました。今日で先生とお別れなんて、悲しいわぁ」
そう言いながら、梅木さんが先生に握手を求める。
先生は爽やかな笑みで、それに応えた。
アイドルの握手会みたい、なんて、ちょっと思ってしまう。
「僕だけの力じゃないですよ。ここのスタッフのみなさんと、あとは梅木さん自身の頑張りです」
「そうよねぇ、みなさん本当に良い人たちばかりだった。とくに、吉岡さん!」
突然、こちらを向いて声を張り上げる。
「あなたは本当に大好きだわぁ。うちの孫のお嫁さんに欲しいくらい。年上女房で吉岡さんなら大歓迎よ!どう? ほら、コレなんだけど」
マシンガントークを続けながら、スマホの画面を私に見せてくる。
「なかなかイケメンでしょ? 優しくて良い子なのよ?」
画面の中には、梅木さんの肩を抱いて立つ、背の高い好青年が写っていた。
「そうですね……素敵な方ですね」
「やっぱり!? そうでしょ〜。今日はあの子、休みじゃないかしら。どうにかして会えないかしらね。吉岡さん、何時にお仕事終わるの?」
どう断ろうか考えていた、そのとき。


