彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「元カレと別れたばかりとか、関係ある? 恋に落ちるタイミングなんて、誰にも分かんないでしょ。世の中には不倫なんて同時進行もあるのよ?まぁ、それは絶対にダメだけどさ」

 恵理ちゃんは笑う。

 「傷心のところに、あんなイケメンに言い寄られてみてみ?チャラいけど、仕事できて、余裕あって、全てにおいてかっこいい。好きにならない方が難しいと思うけど」

 その言葉が、すとんと腑に落ちた。

 好きにならないように、必死で言い聞かせていた。
 でも、その時点で、もう遅かったんだ。

 ホテルで、ヒーローみたいに現れた先生。
 あの瞬間から、たぶん、いや、きっと始まっていた。

 思い返すたびに、胸が熱くなる。
 今だって鮮明に思い出せる。
 
 どん底に落ちた記憶よりも、瀬名先生との出来事の方が頭にも心にも残っているから。

 瀬名先生のことを思うと、胸がドキドキしてくる。
 近づいちゃいけないと思っていたのに、職場で会えることを、本当は期待している自分がいる。

 そっか。

 私はもう、瀬名先生のことが好き、なんだ。