ゆうくんに振られたこと。
そのあとホテルで起きた出来事。
それからの、瀬名先生とのデートや、やり取り。
私は、ひとつ残らず恵理ちゃんに打ち明けた。
「……ちょっと待って」
話を聞き終えた恵理ちゃんが、頭を抱える。
「最高すぎない? 私の親友」
「え、最高、なの?」
「最高でしょ。ひよりってプリンセスだったの? いや、そりゃ可愛いのは知ってるけどさ。アラサーになって色気も出てきたし、最近やたら無双してるなって思ってたのよ」
プリンセスにはちょっとツッコミたいところだけど、恵理ちゃんは興奮した様子で、マシンガントークが止まらない。
「それがさ、悲劇のヒロインから、王子様と結ばれる展開でしょ? こんなの最高以外ないでしょ!」
「……でも、恵理ちゃん」
私は差し出されたチュモッパをひとつ口に入れる。カリカリとした沢庵と、韓国海苔の風味が広がった。
美味しい、けれどしっかり味わっていられない。
「瀬名先生は、確かに王子様かもしれないけど……結ばれるのは、私じゃないよ」
「は?なに言ってんの。どう見たって、瀬名先生、ひよりのこと好きよ」
恵理ちゃんは、今度はカンジャウセウを口に運ぶ。


