彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「だって、見てたら気づくよ。瀬名先生、ずっとひよりのこと見てるし。ひよりは、逆にちょっと避けてる感じするし。ふたり見てたら、なんかあるなって普通に思う」

 そう言って、恵理ちゃんはテーブルに届いたばかりのチュモッパを、ビニール手袋をつけて混ぜ始めた。

 「たぶん、おしげも同じこと思ってるんじゃない?」

 見られてたんだ。
 しげぴーにも……そんなに、分かりやすかったかな。

 今までのことを思い返すと、恥ずかしくなってくる。

 「でも……何もないよ。本当に」

 「はいはい」

 「ほら、私、ゆうくんと別れたばかりだし」

 恵理ちゃんが、チュモッパをひとつコロコロと丸めながら私を見る。

 「私に隠せると思ってるの? もう何年友達やってると思ってんのよ。全部吐きなさい。すぐひとりで抱え込むんだから」

 そう言ってドヤ顔でチュモッパを突き出した。

 「吐かないと、これあげないわよ」

 その姿に、思わず小さく笑ってしまった。
 恵理ちゃんの言葉と、きれいに丸められたチュモッパを見て、胸の奥に溜まっていたものが、ふっと緩んだ。