彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「「かんぱーい!」」

 グラスとジョッキが軽く触れ合い、乾いた音が弾けた。

 おなじみの韓国居酒屋。
 夜勤明けで昼間はほとんど寝ていた私は、日勤終わりの恵理ちゃんと合流し、飲みに来ていた。

 店内にはK-POPが流れ、鉄板で焼かれる音と、あちこちのテーブルから聞こえる笑い声が混ざり合っている。

 「夜勤おつかれ、ひより」

 「恵理ちゃんも日勤おつかれさま」

 恵理ちゃんはビールのメガジョッキ、私はグラスビールをテーブルに置くと、それぞれナムル盛り合わせを口に運ぶ。

 ごま油の香りが広がって、自然と肩の力が抜ける。

 「はー……生き返るね」

 思わず漏らした私に、恵理ちゃんが笑った。

 「ね。仕事終わりにここ来るとさ、幸せ感じるよね。しかも明日休みだし、最高ーっ」

 そう言ってまたグビグビとビールを流し込む恵理ちゃんは上機嫌だ。

 ナムルの他に、カンジャウセウ、チュモッパ、チャンジャ、チョレギサラダなど注文したものが続々とテーブルに並んでいく。

 楽しい。恵理ちゃん一緒だからっていうのもあるけど、韓国居酒屋ってなんでこんなに楽しいんだろう。