彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 ナースステーションは、いつも通りの朝だった。

 申し送りの声と、点滴を準備する音、モニターの電子音が重なり合い、少しだけ慌ただしい空気が流れている。

 「ひより、今日よろしく。」

 背後から聞き慣れた声がして振り向くと、恵理ちゃんがバインダーを抱えて立っていた。

 「恵理ちゃん、おはよう。よろしくね」

 「ひよりとペアは、やっぱ安心するわ。……あれ?なんか顔色悪くない?大丈夫?」

 恵理ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んだ。

 「そう?大丈夫だよ」

 「無理しないでよ?」

 実は、今朝から体調が優れない気がしていた。明けで1日休みだったけど夜勤の疲れがまだ体に残っている気がして、結局朝食も食べる気になれなかった。

仕事が始まればそんなことを考える余裕もなくなるだろう。

 そう思いながら点滴の準備をしていると、背後から低く落ち着いた声がした。

 「吉岡さん、〇〇さんの状態どう?」

 振り向くと、瀬名先生が立っていた。
今日は眼鏡はしていない。