たった数秒の沈黙だったけど、もう待てなかった。
自分からそんな提案をしてしまったことが、急に恥ずかしくなってきたから。
何言ってんの、君にできることなんかあるわけないだろって思って引いてるのかもしれない。
「あ、ごめん。まさかの提案だったからさ」
ほら、やっぱり。
頬にじわじわと熱を感じる。今すぐ時間を巻き戻したい。なんておこがましいことを……
「そんなこと言われたら、俺、調子に乗るよ?」
「………え?」
「じゃあさ、またデートしてよ」
一瞬、胸が跳ねて。
すぐに罪悪感が追いかけてきた。
さっきまでの、儚くて切ない先生は何処へ。
チャラモード?
急にチャラスイッチが入ったんですか?先生。
さっきまで大切な人がいるって話を……
私は、やっぱり振り回されているのかな?
瀬名瑞貴という名のアトラクションに乗っているのでしょうか。
諦めきれない人がいるって言ったばかりで、目の前の女をナンパするとは。


