彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません



 「はっきり言うねー、吉岡さん。まあ、そう思われても仕方ないとは思うよ。……俺もさ、色々必死だったんだよね〜」

 そう明るく答える先生。

 でも心は、静かに泣いている気がした。

 どうしよう。

 この人を放っておけない。

 チャラいと思っていた先生が、本当は違って、なにか秘めていることがあって、守っているものがあって。

 私の中で密かに湧き出してきていた"瀬名瑞貴"という人のイメージが、こっちが本当なんじゃないかって。

 でも、それでも100%信じきれない私は性格が悪いんだと思う。


 絶対ダメだって分かっているのに。
 目の前の先生があまりに儚くて、切なくて、苦しくて。

 私なんか、なんの役にも立たないかもしれないけど、何かしてあげたいと思ってしまった。

 「先生、私にできること、ありますか?」

 先生は、私を見て固まる。

 目と目が合ったまま訪れた沈黙の中、先生の言葉を待った。

 「……せんせ?」