彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


日曜日。

あの後帰ってすぐに、先生から謝罪のメッセージが届いた。
そしてやり取りをするうち、この日曜にデートすることが決まった。

約束の時間より少し早く着いてしまって、私は駅前のベンチに腰掛けていた。
スマホを何度も確認してしまうのは、緊張している証拠だと思う。


——デート。

瀬名先生と。

職場の人。年上。しかも医師。
どう考えても落ち着かない要素しかないのに、なぜか、嫌じゃない。

「……いた」

聞き覚えのある低い声に顔を上げると、

ラフな服装の瀬名先生が、片手をポケットに入れて立っていた。
白衣もスーツも着ていないのに、相変わらず目立つ。

「お、おはようございます」

「おはよう。待たせた?」

「いえ、私が早く来ただけです」

そう答えると、先生は少し楽しそうに笑った。

「真面目だね。可愛い」

か、可愛いって……冗談、だよね?

「……先生、そういうこと普通に言うんですね」

軽く言ったつもりだったのに、
心臓の音はやけに大きかった。

「事実だから」

さらっと言われて心臓が跳ねる。

「じゃあ、行こうか。今日は俺の完全エスコートで」

そう言って爽やかな笑顔を浮かべたままの先生は、私が隣に来るのを待って歩き始めた。

いつもこんな感じなのかな。

こうやってどれだけの女性を落としてきたんだろう。

チャラい。

チャラいです、先生。


私は早速振り回されているというのに、
先生はすごく楽しそうだった。