彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「結局ね、自分で選んでいくしかないのよ」

 意志の強いその言葉に、はっと息をのむ。

 梅木さんは、やわらかく微笑みながらも、その目の奥はまっすぐだった。

 自分で選んでいくしかない……

 まるで、私自身に言われているかのようだった。

 "選ぶ" なんて、今の私に、そんな権利あるのかな。

 今もまだ、思い出せないままなのに……。

 一瞬、足がすくむような感覚がした。

 「助けてもらったお礼ってわけじゃないけど」

 梅木さんは、少しだけいたずらっぽく目を細める。

 「お節介なおばちゃんが、ひとつだけアドバイスしていい?」
 
 「私に……ですか?」

 梅木さんは微笑みながら頷いた。

 そして、私の目を真っ直ぐに見て、

 「答えはね、自分の中にあるのよ」

 そう言って、トントンと手のひらで自分の胸を優しく叩いた。

 「それとね」

 ほんの少しだけ声を落として、

 「自分で選んだ道を、正解にするの」

 その一言が、胸の奥に響く。

 「あなたたち、本当にお似合いよ」

 不意にそう言われて、思わず目を見開く。

 「見てれば分かるものよ。ああいうのは」

 「えっと……」

 瀬名先生のこと、だよね……?

 その言葉に戸惑い、何も返せなかった。