通い始めた料理教室、わたし以外男の子しかいないんですが。


「おっと、反対もね」
彼は反対の袖を捲ろうとしたのだが、
それは彼からみて遠いほうの袖だったので、
顔と顔が、あまりにも近くなって。

わたしはびっくりして、
「ち、近いです…」

と震える声で言うのでした。

「わ、ごめんね、
よく距離感間違えちゃうんだ」

彼はまたごめんのジェスチャーをして、
今いた位置とは反対側に回って
袖口を捲ってくれた。