ことさら加奈は、あたしよりも早いスピードでそのピンク色のオーラに馴染んだ。

もともと加奈は昔からモテるタイプで、女子高のそれとは差があるものの、共学の中での情報量は人一倍豊富だった。

その使い方も上手かった。

何より外見が可愛かった。

女として、それは最高の得だ。

けれど加奈は、三年間、とうとう「特定の恋人」というものを持つことがなかった。


「あたしはね、自分にしっくりくる人がいつか絶対現れると信じてるの」


なんて言って。