朝一の木の家は常連のお客さんが
2、3組来ていた。
二人は佳乃子の好きな窓際の席に座った。
朝の青白い喫茶店の中に
鮮やかな日差しが差す気持ち良い席だ。

「モーニングも美味しいの。ここ」
「朝からお店に来たことがなくて。
モーニングは初めてです!」
ワクワクした顔で柊斗は佳乃子に話す。
柊斗の子供らしい笑顔に佳乃子も嬉しくなる。

木の家の女将がメニューを持って席にやって来た。
「おはよう。」
「おはようございます」
柊斗も佳乃子に続いて女将に挨拶した。

「あら?お孫ちゃん?
こんなのおっきい子いたのぉ?」
女将が柊斗にメニューを渡しながら言った。
柊斗はその質問に佳乃子が
何と言うか心配になった。
だが、佳乃子が満面の笑みで

「うふふ。私達お友達なの。」
と、で女将に答えている。

「昨日はお泊まり会だったのよ」
と続けて話す。

女将の質問に節目がちになっていた柊斗は
目の前で笑顔で話してくれる佳乃子に救われた。

佳乃子に「ねー」と同意を求められると
柊斗も佳乃子と同じくらい
頬を上げ満面の笑顔で「はい」と応えた。
二人は顔を合わせて笑った。

光が差す席で佳乃子と柊斗は優しい朝の時間を過ごした。