モイラ --天使が犯した罪と罰--




もし私が本当に“ユマ・オーウェン”だとしても、彼の切ない想いを断ち切ることはできるのだろうか。


私たちはもしかしたら──出会ってはいけなかったのかもしれないと、そう思ってしまった。



「君は一体誰なんだ…?
正直俺には…君がユマだということしか考えられない。
見た目も声も、笑った時の表情も全て似ている」



おかしいくらいに、信じられないくらいに。



「………」



私は押し黙った。


そうすることしか出来なかった。


私は彼が言うように、“ユマ・オーウェン”本人なのかもしれない。



(それならば……)



私の心臓は、“ヘメラ”の命日に移植されたもの。


“ヘメラ”という少女の心臓が、私の今の身体の一部。


“アイテル”と繋がる、私の唯一の手掛かり。



(……私は、“ユマ・オーウェン”なの?)





──クロイは私を懐かしむような瞳で見つめてきたのも、その瞳の先に切なさが混じっていたのも、私が“ユマ・オーウェン”だからなの?





混乱と焦りで冷や汗が止まらない。


その場でしゃがみこむと、クロイも私と同じく挙動がおかしくなる。