きっとアリアは、私が彼に本当の姿を打ち明けられないのと同じで、必死に隠して自分の心を保っているのだ。 そこに私が介入して良いのか分からず、彼の表情を伺うことすら難しい。 「アリア」 名前を呼ぶと彼は愛おしそうに私の瞳を見つめる。 その瞳の奥に秘められた感情を、私は知らない。 「アリア、一緒にいたいです」 でも私は自分の正体を包み隠したまま、彼に素直な気持ちを伝えることができる。 それが限りなく切なくて、ずるいことだと気づいたのは、もう少し後の出来事であった。