玉響の花霞 弍

不器用ながらにもちゃんとトマトや
ピーマンなどを切り、ピザソースを
塗ったフランスパンに
並べていたのでスゴイと拍手をしてみた


『お前な‥本当はスゴイって思って
　ないだろ‥？』


「お、思ってますよ？
　だって筒井さんが料理してる姿を
　見れるなんてとても嬉しいですから。
　私もお手伝いします。」


『フッ‥‥頼む。』


2人でこうしてキッチンに並んで
食事の支度ができるなんて幸せだ‥‥


ベーコンを軽く焼き具材にプラスして、
残りのフランスパンには
ハチミツとバターを塗ったものや
焼いた後にクリームチーズと生ハムを
乗せたり、シラスと大葉とチーズを
乗せたりと色々2人で作れた。


筒井さんが珈琲豆を挽いてくれたので、私はスープに簡単なサラダと
フルーツなども用意した。



『美味そうだな。』


「明日は和食を作りますね。
　ありがとうございます。」


隣に立つ筒井さんを見上げれば、
唇を軽く啄まれ、照れて赤くなる私の
顔を見て笑っていた


仕事も完璧で、スマートで大人な
筒井さんも大好きだけど、
私に触れた後に見せる優しく笑う
この幼さも好きだ。



「楽しくて作り過ぎちゃいましたね‥。
　フランスパンを丸々ニ本分も
　使い切っちゃいました。」


『大丈夫だろ。もうすぐ来るから。』


えっ？


まさかとは思ったけど、
本当に次の瞬間インターホンが鳴り、
画面に写った人物に2人で笑った


ガチャ


「おはようございます。蓮見さん、
　亮さん。」


『おっはよー霞ちゃん。
　もしかして俺のこと待ってた？』


『‥待ってるわけないだろ？
　煩いから早く上がれ。』


朝からハイテンションな蓮見さんは
筒井さんに叱られるつつも嬉しそうに
リビングに向かって行った。


『井崎さんおはよう。
　なんか‥いつもごめんね？
　2人でゆっくりしたいだろ？』


『えっ？‥‥いえ‥大丈夫ですよ。
　私、皆さんを見てると楽しいので。』


『亮、掃除とか色々ありがとな。
　おかげで帰国してすぐ生活できて
　助かった。』


『自分の部屋のついでで頼んでるから
　気にするな。
　もう行くのは次で最後だろ？』


『フッ‥‥そうだな。
　やらないといけないことも
　残ってるがな。』


えっ？