「明花――……」 月神くんだ。 切なげに私の名前を呼ぶ彼の声にぎゅっと胸が締め付けられたその時。 「おはよー、颯」 私の後ろから登校したんばかりの灰瀬さんが現れて、月神くんの傍へとまっしぐらに駆け寄った。