私はこういう男が……大嫌いだ。

「あんた、えらい恐い顔してんね。元は綺麗な顔してんのに。」

武山がヘラヘラとした顔で顔を寄せてきたので、顔を後ろに避けた。




「……武山さん、不必要に彼女を挑発しないで下さい。」



柴崎が私の肩を引き寄せ、武山から遠ざける。


「……あんた。神崎の恋人だったんだって?」

神崎……。神崎、晃太。
私の……恋人だった人。……恋人以上だった、人。


「死んだ恋人を殺したやつを捕まえる。涙がでてくるね。」

言葉と裏腹に、武山は笑っている。
その笑みは、武山を悪魔に見せた。