恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで

急いで電話帳から本名の尾田 隼人の
名前を見つけてすぐにコールした。


自分のスマホのメモリに先輩の名前があるだけで嬉しいけど胸が苦しくなる


機械的なコール音を耳に鳴り響かせながら日差しを避けるために木の下に移動したけど、コールが何度鳴っても瀬木さんが出ないので家に帰った方が早いと判断した


ガチャ


「‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥
 瀬木さん?いますか?」


暑い中全速力で走った為、私は額から
流れる汗を手で拭いリビングを見渡した


暑‥っ‥‥クーラーも付いてない?


コンコン


「瀬木さん?」


だいたい仕事部屋にいることが多いけど、それでなくてもリビングもここも
クーラーが入ってない時点でおかしい


鍵置き場となっている場所には瀬木さんのキーケースが置いてあったから、
出掛けてはいないと思うんだけど‥‥


いるとしたらあとはあそこしかない?


住みはじめてからもずっと寝室だけは
鍵がかかってたし、シーツや洗濯物は
部屋の外に置いて貰ってたから、一度も
掃除をしたことがなかった。


「はぁ……暑い」


もう一度汗を手で拭えば
リビングのクーラーを稼働してから
階段をゆっくりと登っていく


メールを見たのがだいぶ遅かったし、
家にいなかったらいいんだけど、
あんなメールを見たら、何かあったんじゃないかって心配になる。




コンコン


「あ、あの……立花です。
 瀬木さん?いますか?」


‥‥‥‥‥‥……返事がない。
やっぱりいないのだろうか‥‥。
メールだけしてみようかな‥‥。
気付いたら返信が来るはずだから。


カチャ

えっ!?