「…熱、あるな」
額に触れた手が、ひやりと冷たかった。
その温度が、ぼんやりした意識にゆっくりと染み込んでくる。
思わず目を閉じかけて、はっとする。
ー違う。
この手は安心していいものじゃない。
分かってるのに。
体が、勝手に反応してしまう。
「…だいぶ無理したな」
低く落ちる声は、どこまでも優しい。
まるで、本当に心配しているみたいに。
指先が、額から頬へとゆっくり滑る。
逃げたいのに。
その動きを追うみたいに、視線が動いてしまう。
「ちゃんと見てやれなかった」
ポツリ、と零された言葉に、胸が揺れる。
ーあの頃と同じだ。
私が少しでも体調を崩すと、誰よりも早く気づいて
誰よりも近くにいてくれた。
「…大丈夫だ」
静かにそう言われて、心臓が強く鳴る。
その声を、信じてしまいそうになる。
ここにいればいいって。
もう逃げなくてもいいって。
ーそんなふうに、思いかけてしまう。
「…怖いか?」
すぐ近くで、落とされた問い。
答えられない。
怖い。
でも、それだけじゃない。
ほんの少しだけー
安心してしまっている自分がいる。
その事実が、一番が怖かった。
「ここにいればいい」
その一言で。
見えない何かが、ゆっくりと閉じていく。
額に触れた手が、ひやりと冷たかった。
その温度が、ぼんやりした意識にゆっくりと染み込んでくる。
思わず目を閉じかけて、はっとする。
ー違う。
この手は安心していいものじゃない。
分かってるのに。
体が、勝手に反応してしまう。
「…だいぶ無理したな」
低く落ちる声は、どこまでも優しい。
まるで、本当に心配しているみたいに。
指先が、額から頬へとゆっくり滑る。
逃げたいのに。
その動きを追うみたいに、視線が動いてしまう。
「ちゃんと見てやれなかった」
ポツリ、と零された言葉に、胸が揺れる。
ーあの頃と同じだ。
私が少しでも体調を崩すと、誰よりも早く気づいて
誰よりも近くにいてくれた。
「…大丈夫だ」
静かにそう言われて、心臓が強く鳴る。
その声を、信じてしまいそうになる。
ここにいればいいって。
もう逃げなくてもいいって。
ーそんなふうに、思いかけてしまう。
「…怖いか?」
すぐ近くで、落とされた問い。
答えられない。
怖い。
でも、それだけじゃない。
ほんの少しだけー
安心してしまっている自分がいる。
その事実が、一番が怖かった。
「ここにいればいい」
その一言で。
見えない何かが、ゆっくりと閉じていく。

