檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か

「…やめて」

やっとの思いで絞り出した声は、自分でも驚くくらい弱かった。

凛月の腕が、一瞬だけ止まる。

「離して…」

震える手で、彼の胸を押す。

けれど、びくともしない。

「帰りたい…」

その言葉が零れた瞬間。

空気が変わった。

「帰る?」

低く、静かな声。

さっきまでの優しさが嘘みたいに消えていく。

「どこに?」

逃げ場なんて最初からない、とでも言うように。

視線が、逃げることを許さない。

「お前の帰る場所は、ここだろ」

否定なんて、させてもらえない。