檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か

ゆっくりと体を起こす。

まだ少しふらつくけど、動けないほどじゃない。

「…行く」

足を床につける。

冷たい感触が、現実を引き戻す。

怖い。

でも、止まれない。

扉に手をかけたその瞬間。

廊下の向こうから足音が聞こえた。

複数、話し声も混ざっている。

見張りだ。

タイミングが重なっている。

「…っ」

息を殺す。

どうする。

戻るか。

それともー

ー来い。

その言葉が背中を押す。

選ばなきゃいけない。

ここに残るか。

それともー

ここから、抜け出すか。