檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か

夜は、思ったよりも静かだった。

人の気配はあるのに、どこか息が詰まるような空気。

目を閉じても眠れる気がしなくて、天井をぼんやり見つめる。

「…起きてるか」

不意に低い声が響いた。

「…琉生くん…?」

小さく名前を呼ぶと、扉の隙間から影が滑り込んできた。

周囲を確認してから、静かに扉を閉める。

足音を消すようにゆっくり近づいてくる。

「声、出すな」

短く、低く。

昔と変わらない声色。

その一言だけで、状況が分かる。

ー見つかったら、終わる。