檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か

「…蒼依」

凛月の声がわずかに低くなる。

「余計なこと言うな」

ただ、静かに言っただけ。

それなのに、誰も何も言えなくなる。

蒼依はゆっくりと視線を逸らした。

「…失礼しました」

形だけの謝罪。

完全に引いたわけじゃない。

その目は、まだこちらを見ている。

「ほんとにこの子、そこまで大事なんですか?」

「総長のこと置いて逃げたんですよ」

空気が凍りつく。

海里が小さく息を吐いた。

「お前、それ今言う?」

困ったような声。

「いや、気になるでしょ」

愛流は肩をすくめる。

軽い口調。

でも、目だけはちゃんと空気を見ている。