檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か

琉生がベッドのそばにくる。

薬を置く、その一瞬。

ほんの一瞬だけ、目が合った。

何も言わない。

言えない。

それでも。

その視線だけで、分かっってしまう。

ー諦めてない。

その事実に、ほんの少しだけ呼吸が楽になる。

「…行け」

凛月の声が落ちる。

琉生は何も言わず、視線を外した。

そのまま部屋を出ていく。

扉が閉まる音が、やけに大きく響いた。

「…安心したか?」

耳元で低く囁かれ、びくりと体が震える。

「大丈夫だ」

「ここにいれば、何も失わない」

凛月がゆっくり私を引き寄せる。

「俺が全部、守ってやる」

その言葉が。

優しすぎて。

重すぎて。

ー逃げたくなるほど、苦しかった。