「…うん、いるよ」
「そ、そっかぁ。そうだよね」
凪生に彼女がいることなんて、分かっていたはずなのに、想定内だったはずなのに、胸に大きな重みがかかる。
ズキン、と私の胸に大きく響いた。
今更そんなことを思ってどうするんだろう、と思うけどしょうがないよね。気持ちに嘘はつけないんだもん…
「お、お幸せにねっ!じゃ、じゃあ私はここで…」
涙が出るのを恐れて、思いのままできるかぎりの笑顔を向け、廊下を走り莉音のいるところへ戻ろうとした。
そこで、手首を掴まれた。
「待って」
「…え?」
凪生によって再び掴まれた私の手首。
凪生が引っ張って私と正面で見つめ合う形になる。
だめ…、顔みたら耐えられそうにないよ

