「……清葉?」
そう思いながら歩いていると、私の背中に声が掛けられた。
懐かしい声だな、と思い振り返ると、
「なんでいるのっ…、
凪生…?」
そこには、懐かしい見慣れた顔があった。
そう、彼は、わたしの元彼━━━
人生ではじめての。
「ちょっと話さない?」
そう言った凪生は私の返事を聞く前に、もう私の手首を掴んでいた。
「ごめん清葉のお友達ちゃん、ちょっと借りるね」
「はっ、はい!もうどうぞ好きなだけ!!」
凪生と莉音の会話が、私の脳に届くことなく耳から通り抜けていく。
付き合っていた、と言っても小学生の頃。
大したことは何もしてない。
凪生は区立の中学校に、私は私立に、と別々の学校に進んだことで私たちは会わなくなり、自然消滅していった。

