「えっ」
「えっ」
「いや、こっちで西宮とか言っても通じひんから、ちょっとびっくりして」
「ああ、まあそうかも。親戚の伯父さんがその辺住んでんだよね。あそこ甲子園球場近いじゃん。小学生の夏休みに試合に連れてってもらった記憶ある」
「お、おお。めっちゃ知ってるやん。伯父さん阪神ファンなん?」
「も〜生粋のね。で、うちのじいちゃん巨人ファンだから顔合わせたらもう地獄」
「はは。それはご愁傷さま」
……って、俺は何を和やかに会話しとんね〜〜〜ん!!!!
なんやねん、びっくりした!!??
すっごい話しやすいしいい奴すぎて、数分前に倉橋さんの名前呼び捨てしてるだけでピキってた俺の器の小ささが恥ずいわクソぉ!!!
高身長な上に面まで良くてその上コミニケーション能力高いってどこの少女漫画から出てきたん??? 風早か??? 風早かお前は!!!???
はあ、はあ……落ち着け、俺……!
こんなんでいちいち挫けとったら、ほんまにあの悪夢が現実になるかもしれやん。そんなん絶っっっっ対、嫌や。
俺は意を決して、口を開いた。
「……あんさ、一個聞いてもええ?」
「どうぞ」
「…………倉橋さんと、どういう関係?」
いち、に、さん。
間を置いて、白波瀬くんはさらりと答えた。
「婚約者」



