「……(うん。分からん)」
悶々と、らしくもなく悩んでいたせいでしょうか。
気がついたら、周りに誰もいませんでした。
近くにあった案内掲示板で現在地を確認してみますが、園内のだいぶ端っこだということ以外何もわかりません。
辺りは全く人通りもなく、植物園へつながる、花のアーチの入り口がひっそりと佇んでいるのみです。
自慢ではありませんが、同じ場所に立ってぐるっと回っただけで現在地が分からなくなるくらいには、方向音痴です。
正直に言って、迷いました。
どこでしょうここ。
☺︎
……あの、神様。
認めたくはありませんが、飼い主としての責任を放棄したから、バチが当たったのでしょうか。
だから──
「どしたんすか、迷子っすか〜?」
だから、こんなベタな絡まれ方をするのでしょうか。
案内板の前でしばらく立ち往生していたら、唐突に知らない男子に話しかけられました。
同じ制服ですが、見知った顔ではありません。
別クラスの人のようです。
いかにもな雰囲気の奴らが3人も揃って私を取り囲んで来やがったのです。



