本当は、知っていました。
彼があの後も公民館に通っていたこと。
私は彼を避け続けて、彼の謝る機会すら奪い続けてしまいました。半年どころか、何年も。
誰かを許すということは、もう一度傷つけられる覚悟をするということ。
そういう煩わしさから逃げたくて、誰かと真剣に向き合うということを、辞めてしまいました。
かつて祖母が花を受け取り笑って許したように懐深くは、いられませんでした。
彼はずっと、私を待っていてくれたのに。
月夜見祭に彼も参加することになった経緯も、なんとなく察してはいました。
どちらかの祖父の差金か。
はたまた、両方か。問いかけても、彼は認めないでしょうけれど。
……いけません。
ここ最近、彼と関わることが多かったからでしょうか。昔のことを思い出して、つい、感傷的になってしまいました。
月夜見祭も残すところ、あと一日。
気を引き締めなくては。
「──だから、言ったでしょう。あんな子に神楽を任せるなんて。白波瀬の御当主は一体何を考えてるんだか」
なんて思った矢先に、これです。



