*-*-*-*-*-*-*-*-* “本家” それは凜の家から2時間以上はかかる山奥にあった。 電車で移動する間、二人は終始無言。 何度か目は合うが、お互いすぐに視線を逸らす。 気まずい沈黙が降りた。 何を考えているのかが分からない。 考えが読めないという事がこんなにも不安になる事なのだ、とその時二人は再確認したことだろう。 やがて―――本家へと辿り着く。