おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

「だって邪魔しちゃ悪いでしょ? だから僕はここにはいられない。あ、タオルありがとう。せっかく貸してくれたのに、無駄になっちゃうことして」
「あ、いえいえ。……ではないのですが」

 私はモランゴさんからタオルを受け取りながら、彼の言葉に苦笑しました。

「てことで、また恵みの雨の穏健を受けてくるよ」

 モランゴさんは、カルアさん程ではありませんが、愉快に言いました。
 ――そして、

「ナイフ、使う時が来ないといいね」

 ぼそり、と私の耳元で囁きました。
 そんなの、当たり前じゃないですか。――そう返す間もなく、

「じゃあね」

 と、慌ただしく小屋を後にしたのでした。
 彼のことです。今の言葉もテレパシーで聞こえていることでしょう。
 私には向こうの声が聞こえないのは、少々不満どころですが、まぁ、いいです。

「……せめて傘って言おうと思ったんですけど、ダメでしたね」
「あはは……相変わらず、あの人はわからないね」
「長年一緒にいるシラユキさんでもですか?」
「面白いけどね、謎だよ」

 私もシラユキさんのことがわかりませんけどね。

「……なんだろ。疲れちゃったな」
「……お昼寝されますか?」

 ふぁぁ、とあくびを一つ零すシラユキさんに、私は言いました。