おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

 ――と、言いたいところなんですが、雨の中ずぶ濡れで登場されても困ると言いますか。
 普段勢いで突っ走るタイプの私ですが、こんな時に小一時間歩きます! とかしませんし。

 何より――、

「私はここから離れるつもりはありませんよ」

 モランゴさんに言いました。

「あれれ……? 自分で様子を見たいって聞こえたと思ったんだけど……」
「行きたい気持ちは勿論あります。ありますけど、私はシラユキさんの傍にいたいんです」

 そう、私はシラユキさんの元から離れることはできません。
 離れたくも、ありません。
 ですから、双子に頼んで様子を見てきてもらおう――そう思いつきました。

「……なるほど。じゃあ逆に向こうの様子を見てこればいいんだね?」

 モランゴさんはすぐに納得したようで、ぽんと手のひらを叩くと言いました。

「はい。是非お願いします」
「わかった。任せて」

 うんうんと頷きますが、一刻も早く身体を拭いてほしいところです。