父性本能を刺激したようで最上級の愛で院長に守られています

 驚いたことに四季浜唯夏さんは既婚者だった。
 
 戸根院長が言うように診療中に彼氏って言ったよね。いったいどうなっているの?

 大手総合商社で働いている四季浜さんは、エリート社員が集まる出世部署に所属するご主人と職場結婚した。

 ご主人より以前に付き合った戸根院長とは家が近くて交際に発展した。

 四季浜さんは近場で相手を見つけるタイプなのか。

 終わったことだからって昔話を聞かせてくれる。

 ご主人については、どんな男性かは手紙では推測出来ないって。

 ご主人は海外出張が多くて、しょっちゅう世界中を飛び回っている。

 その間に四季浜さんの地元近くでもあり、元カレの戸根院長がいる街でもある、この街で大胆にも彼氏とW不倫をしていた。

 ご主人の居ない寂しさもあるのか、またまた近場と関係を持った。
 不倫相手は同じ職場の営業マン。

 元々の浮気や不倫を悪びれることなく出来る資質が四季浜さんにはあるのか。

 おとなしくて清純そうな四季浜さんからW不倫とは考えも及ばない。見た目が普通の人だから信じられない。

 その辺ですれ違う普通の人が不倫をしているのかと思うと恐ろしい。

 アリスを戸根に連れて来た時期は、彼氏とのW不倫がご主人にバレて彼氏と別れ話が出ていた。

 だから顔色が悪かったときがあったんだ。体調不良かと心配していたのに自業自得の修羅場だったのか。

 彼氏はご主人にバレたことで自分の家庭が壊れないかと不安になったのか、あからさまに四季浜さんから距離を置き避けたそう。

 そんな折、急遽正式な転勤辞令が出て、ひと足先に単身欧州に行っていたご主人から呼び寄せられる日にちが決まり、戸根院長にすがりたかったと。

 それを拒否されたから二度と会えないと言って去った。

「なぜ、今さらこんな手紙を寄こしたんだ。人の幸せが妬ましいのか」
 
「ご主人の元に行けば夫婦関係を修復出来て、以前のご夫妻に戻れるのでは?」

「そうだと良いな。手紙の返事はしない、アリスが気になるが」
 戸根院長の決めたことに口出しは出来ない。頼られたらアドバイスなら出来る。

「なぜ、この俺が不埒な女と付き合っていたのかと思うとプライドが許さない」

「四季浜さんは戸根院長とお付き合いしているときは誠実に向き合っていたんです。別れてから変わってしまったんですよ、それだけです」

「よく唯夏は商社の裏事情を俺に話した。今、話して聞かせたような乱れた男女の性も唯夏は他人事として話していたが、実は当時から付き合っていたってことだ」