「それは愛の延長線上にあります。案外、男ってロマンチストなんです」
「男性のほうがロマンチックって言うのは同意するなぁ。ベタベタ甘えたがる傾向にもあるし」
「院長先生はベタベタ甘えるんですか? 聞いた話だと違うタイプに思います。あっ、そっか紗月さんと二人きりのときですね」
「猫よ、オスのほうが甘えん坊」
「猫のことですか?」
がっかり感ハンパなかったって幸星くんの裏返った声が物語っている。
戸根院長もオス猫みたいにベタベタスリスリ甘えてくるのかな。見てみたい気もする。
「幸星くん、なにかお腹に優しいもの作ってくれる?」
「病院にUターンして戸根院長に差し入れですね」
「うん、いくら英語が出来るといっても頭の中疲れているでしょう、日本語と英語で」
体の疲れは寝ればとれるが、頭の疲れは切り替えなきゃとれない。
「美味しくて優しいメニューを見つくろってお作りします。お待ちいただいてる間に一杯おかわりいかがですか」
「ありがとう、生お願い」
「はい、少々お待ちください」
その間、ノートパソコンをカバンから出してセミナーの資料を見直そう。
「おまたせしました、生です」
「ありがとう」
「勉強ですか?」
「セミナーのね。今回のテーマに興味があって自分の得意分野にしたいのよ。教授にはセンター時代にお世話になっていたし、がんがん質問するつもりで資料作成したの。それの見直し」
「お疲れ様です、日々勉強ですよね」
「勉強は子供のころから好きだったわ、ぜんぜん苦にならない。むしろ面白くて性に合ってる」
「頼もしいですね、紗月さんのおかげで救われる動物の命が増えますように頑張ってください」
「ありがとう、頑張るわよ」
「あともう少し待っててくださいね、用意してますから」
「ありがとう」
再び目を落としてパソコン画面に集中する。
資料を深く読み込むうちに周りの音がいっさい耳に届かなくなった。
「マスター、こんばんは」
穏やかで落ち着いている男性の声が耳に入って来た。
一直線のカウンターだから見えないけれど、端っこの方に座ったみたい。
「男性のほうがロマンチックって言うのは同意するなぁ。ベタベタ甘えたがる傾向にもあるし」
「院長先生はベタベタ甘えるんですか? 聞いた話だと違うタイプに思います。あっ、そっか紗月さんと二人きりのときですね」
「猫よ、オスのほうが甘えん坊」
「猫のことですか?」
がっかり感ハンパなかったって幸星くんの裏返った声が物語っている。
戸根院長もオス猫みたいにベタベタスリスリ甘えてくるのかな。見てみたい気もする。
「幸星くん、なにかお腹に優しいもの作ってくれる?」
「病院にUターンして戸根院長に差し入れですね」
「うん、いくら英語が出来るといっても頭の中疲れているでしょう、日本語と英語で」
体の疲れは寝ればとれるが、頭の疲れは切り替えなきゃとれない。
「美味しくて優しいメニューを見つくろってお作りします。お待ちいただいてる間に一杯おかわりいかがですか」
「ありがとう、生お願い」
「はい、少々お待ちください」
その間、ノートパソコンをカバンから出してセミナーの資料を見直そう。
「おまたせしました、生です」
「ありがとう」
「勉強ですか?」
「セミナーのね。今回のテーマに興味があって自分の得意分野にしたいのよ。教授にはセンター時代にお世話になっていたし、がんがん質問するつもりで資料作成したの。それの見直し」
「お疲れ様です、日々勉強ですよね」
「勉強は子供のころから好きだったわ、ぜんぜん苦にならない。むしろ面白くて性に合ってる」
「頼もしいですね、紗月さんのおかげで救われる動物の命が増えますように頑張ってください」
「ありがとう、頑張るわよ」
「あともう少し待っててくださいね、用意してますから」
「ありがとう」
再び目を落としてパソコン画面に集中する。
資料を深く読み込むうちに周りの音がいっさい耳に届かなくなった。
「マスター、こんばんは」
穏やかで落ち着いている男性の声が耳に入って来た。
一直線のカウンターだから見えないけれど、端っこの方に座ったみたい。



