「串が食道に突き刺さったり胃を貫通してしまい、肝臓や膵臓に障害をもたらす可能性が低くなるからです」
「そういうことなんですね。良かった、傷付かないですね」
前のめりで聞いていた奥様が安心したように体勢を戻した。
「フィオナちゃんの体にとって大切な話があります」
通常の内視鏡は十二時間の絶食、三時間の絶水が必要だけれど、異物摘出の場合は緊急処置だから、そんなことは言っていられない。
今、この事態は一刻を争う。
そのために麻酔下で、内視鏡手術をおこなわなくてはいけないことを理解してもらわなければならない。
そして動物病院では麻酔の事故が多々ある。
内視鏡手術を安全におこなうための麻酔のメリット、デメリット。
ご夫妻が納得出来るように分かりやすく、戸根院長は話し始める。
「すぐに血液検査をします。その結果、どんな麻酔でもフィオナちゃんは大丈夫なのか、あるいは、どんな麻酔であれば耐えられるのかを判断します」
戸根院長は、検査の結果次第では全身麻酔をかけて内視鏡で取り除く説明もした。
明朗快活に丁寧に分かりやすく話して、飼い主の質問にも同様の戸根院長の表情に飼い主が安心した様子。
飼い主の同意を得てたからすぐに採血して、私は血検をおこなう。
戸根院長は、そのままフィオナをあずかり入院室に連れて行き、戸根院長の説明を受けていた飼い主は受付で事務手続きをして帰った。
「フィオナの血検結果に異常はありません」
「了解。胃中で竹串が留まっている、しかも刺さっていない。やはり、これなら開腹しないで内視鏡でいける」
さっきの二人の予想が当たった。
レントゲンと超音波で異物の確認が出来た戸根院長が、全身麻酔下でおこなう内視鏡手術のため、すぐに注射の麻酔を打って眠らせる。
「フィオナ、良い子ね。これから戸根院長と二人で痛いのや危ないことを取り除くから楽になるよ。少しだけねんねしててね」
だんだん意識が遠のいていくフィオナに声をかけて、そっと前肢を撫でる。
麻酔が効いて十分ほどで眠りにつき、ガス麻酔に切り替えてフィオナにガスマスクを装着する。
「呼吸リズム正常です」
「了解。ごめんな、女の子なのに」
腹部の毛を刈りながら、眠るフィオナに声をかける戸根院長の脇でハンドクリーナーで毛を吸い上げ消毒する。
「始めます、お願いします」
「お願いします」
やった! 内視鏡だ。
腕が鳴り、思わずマスクで隠れていることを良いことにニヤつく。
「そういうことなんですね。良かった、傷付かないですね」
前のめりで聞いていた奥様が安心したように体勢を戻した。
「フィオナちゃんの体にとって大切な話があります」
通常の内視鏡は十二時間の絶食、三時間の絶水が必要だけれど、異物摘出の場合は緊急処置だから、そんなことは言っていられない。
今、この事態は一刻を争う。
そのために麻酔下で、内視鏡手術をおこなわなくてはいけないことを理解してもらわなければならない。
そして動物病院では麻酔の事故が多々ある。
内視鏡手術を安全におこなうための麻酔のメリット、デメリット。
ご夫妻が納得出来るように分かりやすく、戸根院長は話し始める。
「すぐに血液検査をします。その結果、どんな麻酔でもフィオナちゃんは大丈夫なのか、あるいは、どんな麻酔であれば耐えられるのかを判断します」
戸根院長は、検査の結果次第では全身麻酔をかけて内視鏡で取り除く説明もした。
明朗快活に丁寧に分かりやすく話して、飼い主の質問にも同様の戸根院長の表情に飼い主が安心した様子。
飼い主の同意を得てたからすぐに採血して、私は血検をおこなう。
戸根院長は、そのままフィオナをあずかり入院室に連れて行き、戸根院長の説明を受けていた飼い主は受付で事務手続きをして帰った。
「フィオナの血検結果に異常はありません」
「了解。胃中で竹串が留まっている、しかも刺さっていない。やはり、これなら開腹しないで内視鏡でいける」
さっきの二人の予想が当たった。
レントゲンと超音波で異物の確認が出来た戸根院長が、全身麻酔下でおこなう内視鏡手術のため、すぐに注射の麻酔を打って眠らせる。
「フィオナ、良い子ね。これから戸根院長と二人で痛いのや危ないことを取り除くから楽になるよ。少しだけねんねしててね」
だんだん意識が遠のいていくフィオナに声をかけて、そっと前肢を撫でる。
麻酔が効いて十分ほどで眠りにつき、ガス麻酔に切り替えてフィオナにガスマスクを装着する。
「呼吸リズム正常です」
「了解。ごめんな、女の子なのに」
腹部の毛を刈りながら、眠るフィオナに声をかける戸根院長の脇でハンドクリーナーで毛を吸い上げ消毒する。
「始めます、お願いします」
「お願いします」
やった! 内視鏡だ。
腕が鳴り、思わずマスクで隠れていることを良いことにニヤつく。



