季節はずれの桜の下で




 大和くんとハルちゃんが帰ったあと、わたしはふたりから渡されたものを机の上に広げた。

 大和くんにもらった白い封筒とピンクのお守り。

 ハルちゃんが持ってきてくれた、今日休んだ分の授業プリントや配布物。そのなかには、原稿用紙が二枚入っていた。五十周年の文集に載せる作文を書くためのものだ。

『想いを伝える』、か。

 大和くんは、わたしに伝える想いを作文に書いたって言っていた。

 わざわざ作文に書かなくても、大和くんは、いつも思ったことを遠慮なくわたしに言ってきていたと思うけど……。この作文に、どんなことを書いたんだろう。

 何が書かれているのか、ちょっと怖いなあ。

 そう思いつつ、白い封筒に手を伸ばす。

 封を開くと、四角く折りたたんだ原稿用紙が入っていて。わたしは、ドキドキしながらそれを開いた。

 パッと目についたのは、原稿用紙のマス目いっぱいに書かれた大和くんの大きな文字。

『想いを伝える』 一年一組 宮地 大和

 タイトルと名前が最初に書いてあって、その横の枠外に『こころへ』とわたしの名前が殴り書きしてある。


『僕には、幼稚園の頃からの幼なじみがいます。その子は、昔から人前で話すことが苦手です。』

 作文は、そんな文章で始まっていた。