「発表はムリだ」と、わたしのことを決めつける大和くんだけど、じゃあ、そんなわたしがなにをできるのかを知っているのもやっぱり大和くんで……。
放っておかれると影が薄くなってしまうわたしに、大和くんはいつも役割を与えようとする。
大和くんは、わたしに対して上から目線なだけでなく、すごくおせっかいだ。
「パンフとか写真とかあれば、うまくまとめられるよ。な、心桜」
大和くんが、にこっと笑顔で圧をかけてくる。
大和くんのいうとおり、わたしはタプレットを使った資料作りは苦手じゃない。
少しのプレッシャーとみさとちゃんの顔色を気にしながらうなずく。そんなわたしを、みさとちゃんが不満そうな目で見てきた。
「ふーん。前から思ってたけど、大和っていっつも心桜ちゃんの肩持つよね。今回のグループにだって、一番に心桜ちゃんのことをメンバーに誘ってたし」
「それは仕方ないだろ。このクラスには、心桜の状況知ってる人も少ないし。同じ小学校出身のおれが面倒見てやんないと」
大和くんの上から目線な発言は相変わらずだ。
わたしは大和くんに面倒見てほしいなんて思ったことないんだけど……。
それを聞いたみさとちゃんが、「はあーっ」とものすごく面倒くさそうにため息を吐いた。



