季節はずれの桜の下で


 けれど、六時間目の学活の時間に、わたしはまた大和くんと机を挟んで顔を突き合わせることになった。

 グループワークの授業で、校外学習で回った場所についてまとめるという課題が出たのだ。

 校外学習で回った中で、グループみんなのおすすめの場所をふたつかみっつピックアップして、動画やスライドショーを作って三週間後のグループワークの授業で発表する。

 机をくっつけあって集まったメンバーは、大和くん、河井くん、みさとちゃん、綾香ちゃん。それから、わたし。

 今日のグループワークのために、学校用のタブレットには校外学習のときに撮った写真のデータがたくさん保存されていて。

「ここ、楽しかったよね」

「このソフトクリームもめっちゃ美味しかった!」

 わたし以外のグループのメンバーは、思い出の写真を見返して、きゃっきゃっと楽しそうに笑っている。

 校外学習に参加しなかったわたしは、いつものように……、というより、いつも以上に、グループのメンバーを遠巻きに眺めて静かにしていた。

 このグループワークに、わたしは要らない。