口に甘いは腹に毒


 玉露くんの温もり、玉露くんの匂い、玉露くんの鼓動……。

 それら全部がわたしの気持ちを高ぶらせ、



「すき……大好き……っ」



 抱えきれなくなったものが外へ出た。



「なんで僕を選んじゃうんだろうね、ほんと……」



 わたしの髪を耳にかける玉露くん。

 顔を上げたときには、鼻がくっつきそうなほど近くにいた。


 それだけでも充分なのに、見たことないくらい嬉しそうに目を細めて笑うから。

 心臓が爆発しそう……。



「僕も……食べちゃいたいくらい苹果ちゃんが大好き」

「え──っん」



 優しく触れるだけのキス。

 一瞬の出来事で、現実だったか定かじゃない。