そのまま数分間。わたしの涙も落ち着いてきたとき。
「……着いたわよ」
気まずそうな声がかかる。
バックミラー越しでは、こっちに視線を合わせないようにしてくれていた。
「わあ! あっ、あ、ありがとうございましたっ!」
パッと玉露くんの胸から出る。
お、お母さんが運転してくれてたんだった!
顔に特大の熱が溜まる。実母に見られてたんだから玉露くんも恥ずかしがってるだろうと思ったら、全くの平常心。
なんでそんなに落ち着いていられるんだろ……!
「母さん。苹果ちゃんと少し話してくるから、先に帰ってて」
「……もう何も言わないわ。言わなくてもわかってるでしょうから」
顔の熱を抑える間、二人がそんな会話を交わした。
えっ、話す時間を設けてくれるの。



