口に甘いは腹に毒


「図々しいのはわかってるんだけどっ、ここに来た理由って言うのがっ──」


「苹果ちゃん、起きたのね……!」



 絶好のチャンスは玉露くんのお母さんによって消えてしまった。

 後ろに店員さんらしき人を引き連れている。

 心配の色を全面に出し、彼女がソファーの傍らに跪く。



「頭痛が酷かったり、視界に異常があったりしない? 後で病院に行きましょう?」

「えぁ……は、はい……」


「今警察が来てて、事情を説明してるところなの。辛くなかったら苹果ちゃんも少し話してほしいんだけど……できるかしら?」

「うえ、えと……」



 そ、そんな大ごとになってるの?

 告白をしている場合じゃなかった。せっかくのタイミングだったけど、これじゃあ流れちゃうよね……。