口に甘いは腹に毒



「廊下にこれが落ちてた。母さんに電話が繋がってたから、協力して苹果ちゃんを見つけるために使わせてもらったよ」

「でもこれを落としたのは一階だよ? よく気付いたね……」

「うん。苹果ちゃんの声が聞こえた気がしたから」



 冗談めいた様子もなく、玉露くんが真剣に言った。

 ちょっと見つめ合っただけで心臓がバクンと暴れだし、頬が熱くなる。

 そうだわたし、告白しに来たんだった……。


 ていうか、普通に話しちゃってるよ。

 あんな別れ方したのに、前みたいに話してくれたり助けに来てくれたりして。一体どこまで玉露くんの懐は深いんだろう。



「玉露くん……ありがとう」



 今しかない。

 ソファーの上で正座して、太ももに拳を乗せる。